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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
流れ時…1ロスト・クロッカー4
ビビッ……ビビッ……
またも世界が歪む。
メガネの少女の手はキーボードから離れることなく的確に文字を打つ。
……プラズマは私の中の「お気に入りの神」なの。恋愛要素とか入れたいな……。

※※

「はい。つきましたよ。あれ?どうしました?」
二人はゆらゆら揺れていた。
「……ん……。気持ち……悪い……。」
気がつくと猫の人が心配そうな声で語りかけていた。
そして意識を戻すため二人をゆすっていた。
と、いう事は知らない内に気絶していたらしい。
しがみついたまま気絶するとは……二人はとても器用なのかも知れない。
「うう……。」
二人は青い顔のまま猫の人から降りた。
山のふもとはもう真っ暗だった。
どこからか虫の鳴き声がする。
目の前には大きな屋敷が建っていて、近くに池がありそこに月が映っている。
すごくきれいで静かなところだった。
空には満天の星空と少し欠けた満月がキラキラと輝いていた。
「では。わたくしはこれで。乗ってくださってありがとうございました。」
猫の人は丁寧に頭を下げた。
「あ……いや……別に。ああ、こちらこそありがとうございました。」
現代神とアヤも丁寧に頭を下げた。
猫の人はにこりと笑うと風を巻き上げて消えて行った。
「……さっさと行きましょう。もう……はやく帰りたい。」
まだ青い顔をしているアヤは現代神を促した。
「ああ、まってよお!」
現代神も慌てて目の前に立っている屋敷に向かって歩き出した。
屋敷には門番がいた。
門の前に二人、一人は闘牛のようなツノをはやし、いかにも強そうである。もう一人も鋭い牙と鬣を持っているライオンのような男であった。
「正面からじゃ入れないね。」
「まわりこんで入れそうな所から入るとか。」
屋敷のまわりは壁のようなもので囲われていた。
「壁で囲われているけど、これくらいなら登れそうだね。」
壁はまったく防犯の意味をなしてないくらい低かった。
「そうね。変な意味で色々裏切ってくれるわねぇ。未来って言ったらもっと……こう……レーザーがビーって張り巡らされて見回りロボットが徘徊しているイメージだったのよねぇ。これじゃあ、江戸時代の垣根よ……。」
二人は軽々と中へ侵入した。
屋敷には窓がなく廊下と障子のみだった。
障子からは明かりが漏れている。
その障子戸の中からかすかに声がしていた。
「声がするわ。」
「とりあえず、行ってみよう。」
二人は声がしている障子に近づき、影が映らないように廊下の下にしゃがんだ。
声は未来神のものだった。
「俺は……君を守りたいんだ……。」
「何ですか?いきなり。」
未来神のほかにもうひとり誰かいるようだ。
「女の人の声ね。」
「みたいだね。」
二人は小声で確認しあう。
「君は……君だけは絶対死なせない。」
「またその話ですか?戦争とやらが起こって私が死ぬっていう……。本当に縁起でもない事をおっしゃる方。」
「……。大丈夫。俺が……絶対に戦争なんて起こさせやしない。」
「……最近思うのです。私はいなくなった方がよろしいのではないかと。」
「何言ってるんだ!……俺は!」
「わかっていますよ……。でも、あなたとは結ばれてはいけないのです。」
「君は……ウサギの血が流れているから……な。俺は純血の人間とじゃないと結ばれる事はない。でも……俺は……。」
未来神の悲痛な声と悲しそうな女の声が障子から漏れる。
「あなたが私にかまっていたらあなたはダメになります。やはりここで別れるべきなのでは……。」
「結ばれなくてもいい。だから、どこにも行かないでくれ。別れるなんて言わないでくれ。」
「純血の血を絶やしてはいけません。純血は人々の誇りなんですから。」
「……。」
声はそこで途切れた。
「そういう事ね。」
アヤは確信した。
未来神は女が戦争で死んでしまう事を知っていたから女が生きている間、戦争が起きないように歴史を後回しにしているのだ。
「聞いちゃうとさあ……言いにくいよねぇ。歴史をもとに戻せぇなんてさ。」
現代神は複雑な顔をアヤに向けた。
その時、未来神の声がした。
「……誰だ!誰かいるのか!」
障子が思いっきり開く音が響く。
二人はビクッと身体を震わせた。
「うう……見つかった。行くしかないかな。」
現代神は廊下の下からのそりと出た。アヤもそれに続く。
未来神の顔がゆがんだ。
「君たちか……もう、俺に関わらないでくれ。」
「そうはいきません。歴史をもとに戻してくださるまで僕は負けません。」
現代神は未来神を睨みつけた。
「……さっきから気になっていたのだが、となりの娘はなんだ?まさかと思うが……」
未来神が意味深な事を言いかけた時、となりからひょこっとウサギの耳がのぞき、かわいらしい女性が顔をだした。髪の毛は白く、服は色あせた赤いワンピースのようなものを着ていた。
「どうしました?」
「大丈夫だ。先に寝室に行って寝ててくれ。」
「……。はい。」
女はいぶかしげな表情を浮かべたが未来神の言葉に従い、部屋から出て行った。
女の足音が聞こえなくなるまで黙っていた未来神は足音が消えたと同時に話はじめた。
「娘……君を殺せば……あの戦争が……。君だろ?異種っていうのは……。」
「え?」
アヤはさっきと同様に意味不明な言葉をかけられた。
「ごめん……。本当は殺すとか嫌なんだ……だけど……あの沢山の犠牲とあの子を守れるなら俺は……。そもそも、君が無断で時を渡るからいけないんだ。だから時が狂うんだ!」
「な……なに言ってるの?私は、現代神から……」
戸惑っていたアヤに現代神は力強い瞳をして言った。
「君までおかしくならないでよ。アヤには罪なんてないんだから!しっかりして!ここでも未来神が時間を狂わせていたなんて……。現代が狂うわけだ。」
未来神は拳銃を取り出した。
「!」
高速で弾丸がアヤの髪を通り過ぎて行った。
「くそ……手が震える……俺は的なんて外した事ないのに!」
アヤは未来神が拳銃を撃った事にようやく気がついた。
なに?私……また……殺されそう……
逃げなきゃ……
現代神はさっきの銃声に驚き腰を抜かしてしまっている。
「何やってんの!殺されるわよ!逃げなきゃ!」
「う……うん!」
アヤは無理やり現代神を起こすと庭を駆けだした。
後から何発も弾丸が飛んでくる。
背中からも顔からも冷や汗がつたう。
壁までこんなに遠かったっけ?
全然たどりつけない!
アヤと現代神は必死で走った。
未来神が追ってきている足音と「侵入者!」と叫ぶ声が響く。
急に目の前が暗くなった。
「何!」
見ると先程の門番が武器を構えて壁の前に立っている。
門番は容赦なく斧のような武器を振り回し、爪で薙ぎ払う。
アヤは素早くそれを避ける。
なんで避けられたのかは疑問だがこう必死だと人間、不思議な力が出るようだ。
他にもあちらこちらから武器を持った獣人が現れたが、なんとか獣人達の攻撃に耐え必死で駆けた。
自分にこんな運動神経があるなんて知らなかった。
武器がのろくみえて避けるのは楽だった。
もしかしたら現代神がなにかしたのかもしれない。
しかし、アヤには現代神にそれを確認する余裕はなかった。
とりあえず、壁は獣人にふさがれてしまっているので門の方へ駆けた。
前を見ると先程の門が目に映った。
もうすぐ!もうすぐでこの屋敷を出られる!
門を駆け抜けた時、ほっとしたのと同時に体に痛みが走った。
背中と肩先、足から血が出ていた。
必死で避けていた時に斬られたらしい。
一度痛みを知ってしまうと痛くてたまらない。
「げ……現代神……私……もう歩けない……。」
「アヤ……ごめん。僕がついてきてなんてあの時頼んだから……」
「そんな事言っている場合じゃないでしょ!」
後からは武器を持った獣人と未来神がこちらに向かって走ってきている。
気がつくと斧を持っているツノの生えた男がアヤに斬りかかっていた。
「……。純血様……申し訳ありません。」
ツノの生えた男は苦しそうな顔をして斧を振り下ろした。
「アヤ!」
また現代神が叫んでいた。
だが過去の時みたいに逃げ切る考えはもうない。
死ぬ……
横なぎに斧を振り回している男相手に渡り合える自信などない。
咄嗟に後へ飛んだ。
腹すれすれの所を風が通りすぎる。
服が少し破けた程度だったがバランスを崩した。
やばい!
そう思ったと同時に冷たいものが身体を包む。
間髪をいれず、ドボンっと豪快な音がアヤの耳に入ってきた。
アヤは知らないうちに近くの池に追いやられていて、その池に落ちたのである。
い……息が……できない……
アヤの意識はどんどん遠のいていった。
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テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学

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