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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
ゆめみ時…1夜を生きるもの達3
そしてすぐにライの護身修行がはじまった。スズとトケイは現在、味覚大会の真似事をして遊んでいる。スズの「後はカツオダシ!」という声が遠くから聞こえてきた。トケイが何を作ったかはわからないがキッチンで食事をとっているようだ。
「あなたには落ち着きが足りない。左手の人差し指を立て右手でそれを握り、さらに右手の人差し指を立たせて目を閉じてみなさい。」
 ライは更夜が見せた手本通りに人差し指を立てた。
 ……あっ、これって……よく忍者がやる……。ニンニン!だね!漫画とかだとここからドロンと凄い技が……。
 「それで心の平穏を保て。」
 「!?」
 更夜の発言にライは驚いて目を見開いた。
 「なんだ。」
 「ドロンと術が出るのに平穏を!?」
 更夜はライの質問に顔をしかめた。
 「何を言っている。これは単なる精神統一だ。動揺する事が一番望ましくない。」
 「は、はあ……これって……本当の忍さん達は精神統一の為にやってたんですね……。ナントカの術!ドロン!みたいなのを想像してました……。」
 戸惑っているライに更夜はふうとため息をついた。
 「何を言っているのかよくわからんが動揺した時、戸惑った時などは一度これで心を落ち着かせる事だ。そうするとおのずと周りも見えてくる。」
 「は、はい。」
 更夜の通りにライは目を閉じ、人差し指を握ってみた。なんとなくだが心が落ち着いた気がする。
 「血反吐を吐くような事を今、やったところで何も身につかない。それに俺はあまり忍術を見せたくない。だからあなたにはこれだけしか教えられない。」
 更夜は表情なくつぶやいた。
 「更夜様は血反吐を吐くような修行をしてきたのですか?」
 「まあな。何度か死にかけたこともある。幼少の頃から永遠と人を殺す術、自身を守る術を教え込まれていた。縄抜けの術では関節をうまくはずせなくて縄を抜ける事ができず……たまたま襲ってきたクマに食われそうになったな。懐かしい記憶だ。」
 更夜が平然と言葉を発しているのでライは身体を震わせた。
 「子供の時からそんな……危ない事を……。」
 「まあ……そうだな。……俺の話をしても何も出ない。時間の無駄だ。これから体術を教える。身を守るためのな。」
 「体術!?あの……私、まったくできません……。」
 「知っている。あなたには一つだけ覚えてもらう。」
 更夜はそう言うとライを鋭く睨みつけた。威圧がライを襲い、ライはガクガクと身体を震わせた。
 「ひ、ひい!」
 「これだ。」
 更夜は威圧を解いた。
 「これだって……なんですか?うう……。」
 ライは涙目になりながら更夜を仰ぐ。
 「まあ、ある意味幻術に近いができる雰囲気を出す。これで相手の隙をつく。」
 「い、インチキ……ですか?」
 「今から体術を教えても身につかんだろう。あなたには身を守ってもらわねばならない。敵との衝突はできるだけ避ける。」
 ライがポカンと口を開けている中、更夜は淡々としゃべる。
 「は、はい……ごもっともです……。」
 「自己暗示だ。できると思い込め。相手をまっすぐ見つめ、気を乱すな。……やってみなさい。」
 更夜が静かに言葉を発した。
 「そんな……無茶苦茶な……。」
ライはしかたなくやる事にした。とりあえず恐々更夜を見据えてみる。
 「まったくなっておらんな。もっと自信を持て。」
 「こんなのわかんないですよ……。」
 「演技と同じだ。では俺が逆をやるからあなたは自信を持って俺を睨みつけろ。」
 更夜はそう発言した刹那、急変した。弱々しい瞳でライを見つめる。口元にはわずかに恐怖心が出ていた。体を震わせ怯えたようにライを見上げる。
 ……え?さっきと雰囲気が……これが更夜様?まるで別人……。すごい!これが演劇か……。
 「ぶ、分野外ですが……頑張ります!えーと!わ、私がお前達をけちょんけちょんにしてやるんだからーっ!」
 ライは意気揚々と言い放った。
 「……はあ……いいか。しゃべるな……。素人感が丸見えだぞ。無言で威圧をかけろ。」
 「は……はい……。少し前の美少女アニメのセリフでノリに乗ってみようかと思ったのですが……。」
 「わけわからん事を言っていないでもう一度だ。」
 「は、はい。」
 更夜が再び鋭い瞳を向けてきたのでライは青い顔で頷いた。
 後はひたすらこれの練習と精神統一に時間を費やした。しばらくしたらトケイとスズが戻ってきた。
 「なあに?まだやってんの?」
 スズが呆れた顔でライと更夜に目を向けた。
 「ふぅうううう。」
 ライは大きく息を吸い、鋭くスズを睨みつけた。
 「いっ!?」
 スズはライから出る謎の威圧に怯え、後ずさりをしていた。
 「ふう……。スズちゃん!どうかな?」
 「ど、どうかなって何が?」
 突然、威圧が消え、笑みを浮かべたライにスズは戸惑いの声を上げた。
 「威圧!かなり練習したんだよ。」
 「なんかすごいの出てたわね……。まさか、更夜、この子を傷物に……。」
 スズが青い顔で更夜を仰いだ。
 「馬鹿な事を言うな。俺は忍以外の者に残虐な事はせん。……さすが芸術神、感覚を掴むのが早い。」
 更夜の言葉を聞いたトケイがふーんと息を漏らした。
 「じゃあ、更夜はライを忍者って思わなくなったんだ。」
 「ああ。これが忍だったら勘弁だな。演技をしている雰囲気でもない。本物の一般神だな。」
 更夜は深くため息をついた。
 「あ、更夜、また試作作ってみたんだけど……プリン。」
 トケイはお皿に乗っかっているプリンを更夜に差し出した。
 「っむ。」
 更夜はトケイからプリンを受け取るとついていたスプーンでプリンをすくい取り、一口食べた。
 「ふむ。」
 「なんて言うか……トケイって甘いモノ作るのうますぎだわ。女子力高いわねー。」
 スズがプリンを食べている更夜を眺めながら呆れた声を上げた。
 「……卵黄と牛の乳、砂糖に洋酒……だな。それと……軽くバターと塩か。うまいな。よし追加だ。」
 「うわー。型に塗っただけのバターまで当てられた。」
 トケイはどこか悔しがっていた。もしかすると更夜と勝負しているのかもしれない。
 「あの……卵とかって弐の世界は手に入るの?」
 ライの質問にトケイは首を傾げて答えた。
 「うん。普通だよ?」
 トケイをスズが軽やかに押しのけた。
 「普通じゃないのよ。トケイ。気になるのも無理ないわ。弐の世界はね、動物を食べる事はないわ。卵や魚、肉なんてものは偽物。弐の世界には存在しない。幻。わたし達は幻を食べているの。だけど幻をその場に出せるのが弐の世界。ここは元々想像とか妄想とかの世界もあるからね。というかわたし達は魂だから別に食べなくてもいいの。食べる事はただの娯楽。」
 「へぇ……つまりはバーチャル世界みたいなものなんだね?」
 ライはフムフムと納得したがスズは首を傾げていた。
 「まあ、なんでも良いがそろそろ俺は風呂に入る。」
 更夜は一言そう言うと部屋を出て行った。
 「ああ、そういえばお風呂沸かしておいたよ!」
 トケイが慌てて叫ぶと更夜は背中越しで「すまんな。」とつぶやき去って行った。
 「まーた、あのじいさんはお風呂。ほんと、決まった時間に入るのよねー。」
 「スズちゃん、お風呂ってどこにあるの?私も昨日入ってないから借りてもいい?」
 「いいわよ。一緒に入る?」
 「え!一緒に?」
 スズが楽しそうにライを見つめる。ライは恥ずかしくなり顔を赤く染めた。
 「嫌?」
 「嫌じゃないよ!うん。一緒に入ろ!」
 ライとスズはお互い微笑みあった。
 「……あの……なんだか僕が居づらいんだけど……。」
 トケイは隅の方でぼそりとつぶやいた。
 「ごめん。ごめん。さすがにあんたと一緒は無理あるからね。」
 スズは小さく笑うと大きく伸びをした。


 その日も普通に終わった。サスケとやらが襲ってくる気配はなかった。居酒屋は普通に開店し、ライは料理の盛り付けに力を入れ、夢中になっている内に終わってしまっていた。
 明日早い事もあり、閉店を少し更夜が早めたようだった。
 「普通に終わったね……。ちょっとドキドキしてたよ。スズちゃん。」
 「襲ってくる事はまずないわ。わたしも目を光らせていたからね。ちゃんと明日の事の情報収集もしたわよ。ふふふ。」
 スズはライの肩を叩きながらクスクスと笑った。
 「す、すごいね……。私なんて盛り付けに命燃やし過ぎたよ。」
 ライとスズは今、風呂に入っている。風呂はなぜか露天風呂で満天の星空が頭上でキラキラと輝いていた。風呂はかなり広い。
 湯船につかりながらライは檜風呂の淵に手をかける。
 「ふう……気持ちいい……。」
 「さっき身体洗ったからわかると思うけど洗い場は中にあるの。ちょっと安心するでしょ?」
 スズはのほほんとしているライに微笑んだ。
 「うん。このお風呂も弐の世界だから幻なの?」
 「このお風呂もこの家も幻とは少し違うかなー。ここはね、壱の世界の時神の内の未来神が想像した世界で家とかお風呂とか外に沢山咲いている花は時神過去神が想像して作ってくれたもの。ちょっと彼らとは色々あってね。わたしと更夜も弐の世界の時神になったのよ。トケイは元々この世界にいた時神なんだけどねー。」
 「へ、へえ……そうだったんだ。」
 ライには突拍子もない話だったので相槌を打つことで精一杯だった。
 「……っ!」
 突然、スズが立ちあがった。
 「!?どうしたの?スズちゃん。」
 ライが声を上げるのと更夜が入ってくるのが同時だった。
 「え……こ、更夜様!は……あうう。」
 ライは顔を真っ赤にして慌てて手拭いを伸ばし、体を隠す。
 更夜とスズはまったく同じ方向を凝視している。
 「はーああ、バレてしまったかいねぇ。」
 ふと目の前に突然、幼そうな少年が出現した。家を囲んでいる木の陰に隠れていたらしい。幼そうな少年だが非常に落ち着いており、歳を感じた。
 「何の用だ。サスケ。」
 「サスケ!?」
 スズとライの驚きの声を無視し更夜は目の前に立つ銀髪の少年を睨みつけた。少年は肩にかかりそうな銀髪を払い、闇夜のような黒い瞳を向けニヤリと笑った。
 「別に。味覚大会に出ると聞いてな、おもしろそうだったんであんた達の下見に来ただけよォ。こりゃあ、隠れる所なさすぎて見つかるかァ。ははは!」
 サスケと呼ばれた少年は楽観的に笑った。
 「一度、店の中に入り込んできたのはお前か……?」
 「さあねェ。何のことだか。」
 サスケはケラケラと笑っていた。
 「……。」
 更夜は無言で威圧をかけていた。しかし、サスケにはまるで効いていないようだ。
 「しかし、伊賀者よ、いくら忍とて色香を使う女忍が恥じらいもなく男の前に立つなどあってはならぬ事。」
 サスケは一糸まとわぬ姿で立っているスズに感情なく言葉を発した。
 スズは怯む事なくサスケの動きを注視していた。
 「そっちの娘の方が男を惑わす良い女だァ……。」
 「彼女は忍じゃないよ。触れたら……殺してやるわ。」
 スズは怯えるライをかばうように立った。
 「穏やかじゃねぃなァ。ワシは忍以外に手はあげねぇよォ。利用し、犯し、殺すのは忍だけよォ。あんたもワシの敵にまわったらどうなるかわからないがねぇ。」
 「……っ。」
 サスケの言葉にスズは顔をしかめた。
 「俺達を見に来ただけならこれで帰ってくれないか。迷惑だ。」
 更夜がスズとサスケの間に入り込み、サスケに鋭い声を発した。
 「いんやあ、もう帰るけんど、その前になあ、一つ言っておこうと思うてねぇ。あの笛を狙っとるのはあんたらだけじゃねェい。ワシも狙ってる。ふふ……。できれば出てほしくねぃなァ。では。」
 サスケは不気味な笑みを浮かべながら姿を消した。どうやって消えたかわからないが闇夜に溶けるようにいなくなった。
 「っち……八身(やつみ)で逃げたな……。」
 ライには何も見えなかったが更夜の発言からサスケは八身分身でこの場を去って行ったようだ。
 「更夜、あの男、店に来た奴じゃないね……。」
 「ああ。違うようだ。サスケに注意がいくようにサスケだと思わせたって事だな。店に入って来た奴は俺達をあの大会に出させたいと思っている奴だ。今の話からサスケは俺達には出てほしくなさそうだった。忍の考える事はわからん。嘘かもしれん。」
 更夜がため息をついた刹那、トケイの声が聞こえた。
 「更夜!今、スズとライがお風呂入っているんだよ!入っちゃダメだよ!何やってんの!更夜!ねえ!」
 「すまん。」
 更夜は一言そう言うと脱衣所の方へと向かって行った。
 「ふん。更夜の奴といい、サスケって奴といい、忍は女の裸には絶対流されないんだからね。まあ……女忍自体、男をそうやってたぶらかすのが主な術だから男忍者が克服しているのも仕事上仕方ないけど……やっぱり何か寂しいわよね……男として。」
 スズはため息をつきながらライを見た。
 「……スズちゃん……。」
 ライが驚愕の表情でスズを見つめていた。
 「?……何よ?」
 「し、下着、堂々と服の上に置いてきちゃった……。」
 「別に大丈夫よ。」
 スズが呆れた目でライを見据える。
 「勝負下着履いて来ちゃったの……。真っ赤の奴……すごく目立つ!」
 「ぶっ……あははは!」
 ライが真剣な表情でスズに詰め寄るのでスズは耐えきれなくなり笑った。
 「スズちゃん……笑うなんて酷いよ……。」
 「ごめんごめん。だって勝負下着ってあんた、誰と闘うの?まさか更夜?ふふふふ……もうダメ。更夜と夜の営みするのは危険だって。想像できない……。ふふふふっ。」
 「うう……。すごくかわいかったから知らなくて買ったの。勝負下着だったって後で気がついたけどかわいかったから隠して履こうと思ってて……。」
 ライが顔を真っ赤にして泣きそうな表情だったのでスズは慌ててライに声をかけた。
 「ほんと、ごめん。じゃ、じゃあ、明日も早いし、さっさと出よう?」
 「う……うん。」
 スズとライは脱衣所へ向かった。
 「うえ!?」
 脱衣所に入った刹那、ライが呻くような声を上げた。
 「何やってるのよー……。」
 スズも呆れた声を上げる。真っ赤に黒のレースが入っているショーツをなぜか更夜が持ち上げており、その横でトケイが倒れていた。
 「何をやっているかって俺は落ちていたこれを拾っただけだが。」
 更夜はヒラヒラとライのショーツを振る。
 「や、やめてぇえええええ!」
 ライは顔を真っ赤にしながら泣き叫んでいた。
 「ぼ、僕は何も……そう何もしてない。」
 トケイは動揺の声を上げていたが表情は無表情だった。よく見ると頬に赤みが差している。
 「はあ……てことはトケイが更夜を呼んだ時、ライのそれが目に入って持ち上げて遊んでいたのね。それで更夜が戻ってきて……驚いたトケイはライのそれを下に落としてしまったってわけねー。で、それを更夜が今、拾ったと。」
 スズの言葉にトケイは首を横に振って否定した。
 「ち、違うよ!はじめ何だかわからなくてとりあえず持ち上げたら……女の子の下っ……下着……って、今、君達裸……うわーっ!ごめん!うわー!」
 トケイは耐えられなくなったのか両手で顔を覆い、そのまま脱衣所から走り去った。
 「あの子、純心すぎるわね……。」
 「う……うう……。」
 ライが顔を真っ赤にしたままその場に座り込んでしまったのでスズはため息をついた。
 「更夜、それね、この子の下着らしいわよ。返してあげなさい。」
 「うむ。そうだったか。すまんな。ここに置いておくぞ。」
 更夜がライのショーツを置いた場所はライの服が畳んで置いてあるカゴの中だ。
 「ひい!」
 ライは再び小さく悲鳴を上げる。服の上には勝負下着のツイである勝負ブラジャーが置いてあった。こちらも真っ赤で黒のレースがついていた。
 「ぶ、ぶら……ブラジャーが更夜様の目に!」
 ライの戸惑いが酷くなる一方だったのでスズはとりあえず更夜を外に出す事にした。
 「ああ、もう、いいから更夜、とりあえず出てって。少しは乙女心をわかりなさいよ。」
 「……?すまん。」
 更夜は表情なく一言あやまると脱衣所から出て行った。
 「更夜は胸に当てるそれ、なんだかわかんなかったんじゃないの?」
 スズはライを気にかけながら着替える。
 「ま、まあ、戦国時代の人で……男の人だから……。わ、わかんないのもしょうがないかな……。」
 ライはドキドキしながら着替えはじめた。
 ……こ、更夜様に触られた下着……は、はう……。
 「ちょっと、何笑ってんのよ。気持ち悪い。」
 スズに突っこまれ、ライは自分がニヤけている事に気がついた。
 「あ、いや……その。」
 「やっぱり、あんた、生粋の変態?」
 「ち、違うよー。」
 ライとスズは散々なお風呂を楽しんだ。

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