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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
変わり時…1交じる世界3
 「……おい。おーい!」
 誰かがマナを揺すっている。
 「起きろ。」
 「んっ……?」
 男の声が耳に響き、マナはそっと目を開けた。目の前に紫色の髪の男性が映る。
 男性は端正な顔立ちだが目つきが鋭く、なぜか甲冑を着こんでいた。
マナは眼鏡をどこかで落としてしまったのか眼鏡がなかったのであまりよく見えなかった。
 「お。やっと起きたか。あんた、伍の世界のやつだろ?」
 「あれ……?私は……。」
 マナは首をかしげながらゆっくり起き上がった。辺りを見回してみたが何もなく真っ暗だ。だがまるで宇宙空間内にいるように星のようなものが光っていた。
 「よくここまでこれたなあ。まあ、まだ伍の世界だが。」
 「あなたは誰……うっ!?」
 マナは質問しかけてから自分の体に目を移し驚いた。
 「きゃあっ!はだっ……私裸!」
 なぜかマナは一糸まとわぬ姿であった。つけていたシュシュもなくなっており、長い髪が色っぽく体にかかっている。
 マナは顔を真っ赤に染めて髪で体を隠した。
 「そりゃあな。お前は今、魂だから。……いや、こちらだとエネルギー体か。」
 「……エネルギー体が……どうして意思を持っているの?」
 マナは恐る恐る男に尋ねた。男は軽くマナに向かってほほ笑む。
 「ここは伍の世界の魂が行き着く世界だぜ。イザナミとイザナギが向こうの世界だけじゃなく伍の世界も繋げているんだ。その繋げているバイパス部分っていうのかな……あんたら伍の人間も眠っている時はここに来るんだぜ。そういうふうにできてんだ。」
 「よくわからない……。」
 「だろうな。眠っている時、魂の成分ダークマターは電子が離れるようにタンパク質の塊から抜け出し、一時的にここに集まる。そしてここに沢山あるダークマターの成分を魂が取り込み、増えるとタンパク質に引っ張られ肉体と魂が重なる。そして目覚めるわけだ。歳いってくるとタンパク質の塊……つまり体が衰えるから魂を引っ張りにくくなる。すると色々な障害が出たり、最終的には魂が肉体に戻れずに向こうの世界で肉体が腐るわけだ。魂は防腐剤的な感じだろうな。」
 男は楽しそうにマナに語った。
 「ここに集まる……。」
 「そうだ。ここは向こうの世界では魂とか精神の世界、弐の世界と呼ばれている。こちらの世界での名称はない。しっかし……こちらの世界のやつらはほんと、想像力にかける。見ろ。世界がねぇ。真っ暗だ。」
 「そんな事言われてもわからない……。」
 男の発言にマナはただ戸惑っていた。
 「ははっ!違いねぇ。俺達はこちらの弐の世界から外へ出られねぇ。だがちゃんと見守れる魂は見守って管理してるんだぜ。眠っている時、少なからず想像を膨らませるやつがこちらの世界でもいるんだよ。あんたみてぇなやつがな。俺達はその想像している生命の世界でしか今は生きられない。ごく少数だ。ちなみにここはアンって子の世界なわけだが、あんたはそのアンって子の世界に魂が入り込んでいるってわけだ。あんたの肉体はもうない。実態が保てるのもアンって子の想像のおかげだ。」
 「アンって……私の友達の……?」
 マナは驚いて声を上げた。
 男は再び愉快そうに笑った。
 「そうみてぇだな。あんたら、俺達の神社の話していたろ?それで夢で俺達が出てきたんだろう。」
 「俺達の……神社……?……はっ!あなたはまさかっ!三貴神のうちの……。」
 マナは目を見開いた。
 「ご名答。俺はスサノオだ。これをやるよ。」
 スサノオと名乗った男は驚きで震えているマナの手に眼鏡を乗せた。
 「……すっ……スサノオ!?……こ、これは……め、眼鏡?」
 「そうだぜ。落ち着けよ。あんたは俺が待ちに待ったこっちから向こうへ行く魂だ。向こうに行ったら驚くぜ。怪現象の嵐だ。あんたは向こうの世界では神が見えねぇみたいだからこの眼鏡をつけて神を見るといい。あ、ここは人が唯一想像を膨らませる弐の世界なんで俺が見えるんだが向こうだと普通に生活している人間達も神が見えねぇから。」
 「……さっきから何言っているのかわからないんだけど……。」
 マナは不安げな顔のままとりあえず眼鏡をつけた。
 眼鏡をつけたとたん、スサノオと名乗った男の後ろにガラスのような薄い透明な何かがどこまでも続いているのが見えた。その透明な板のようなものに五芒星が描かれている。
 「あれは……。」
 「向こうとこちらを繋ぐ結界だ。あんたがデータ上、あちらに入るとき問題ないと世界が判断したら分解されずに入れるだろう。向こうの世界の人間と同じコードを持っていたら入れるって事な。ま、その眼鏡が向こうの世界のものなんで問題ねぇと思うが。向こうの世界がお前をどうデータ化して溶け込ませるのか俺は楽しみだぜ。」
 スサノオは一方的に話すとマナの背中を軽く押した。少しだけ押しただけなのにマナはかなりのスピードで結界に向けて滑り出した。
 「……ちょっ……ねえ!私大丈夫なの?全然話がわからなかったんだけど!」
 マナは恐怖を感じ遠くなっていくスサノオに叫んだ。
 スサノオは笑っていた。マナの顔にさらに恐怖の色が浮かぶ。
 「ねえっ!」
 「問題ねぇだろ。あんたはもう……こちらの世界でも人間じゃねぇ。俺が見えた段階であんたは神だ。現人神(あらひとかみ)……。向こうの世界はそう判断すると俺は睨んでいる。そのまま行け!」
 「……っ!」
 スサノオの声はそこまでだった。マナは目の前に迫る五芒星に徐々に分解されていった。
 最後に見たのはスサノオの笑顔だった。不思議な笑みを浮かべている。
 ……そういえばスサノオは神話だと良くも描かれるけど悪くも描かれるよくわからない神だった……。
 マナは辺りの電子数字を眺めながらそんなことをふと思った。
 そう思っていた刹那、不思議な声が頭の中に介入してきた。
 ……今は解明されていないし名前もないけど魂の成分はソウハニウムって名前になるらしい……。未来は変わるかもしれないけどね。
 「……誰?」
 マナがそうつぶやいた刹那、意識は真っ白な靄の中に消えた。


 「はっ!」
 マナは気がつくと真っ白な空間にいた。体を起こし、辺りを確認してみても空間はどこまでも真っ白だった。先程とは真逆だ。
 「……どこまでも白い……。私はどうなっているの?これって夢?」
 マナは自分の体にとりあえず目を向けた。先程とは違い、何か着ている感じがあったからだ。
 「……これは……私の学生服……。」
 マナはいつも学校に行くときに着ている学生服を身にまとっていた。だが自分の学校の校章はなくなっていた。
 その代わり、マナの胸元には見た事もない学校の校章がついていた。知らない内に緑のシュシュも元に戻っていた。
 「いらっしゃい。はじめてのお客さん。」
 ふと後ろから少女の声が聞こえた。マナは慌てて振り返った。すぐ目の前にツインテールのモンペ姿の少女がほほ笑みながら立っていた。
 「誰!?」
 「そんなに驚かなくてもいいよ。現人神マナさん。私はK。よろしく。」
 「K……。」
 Kと名乗った少女はとても友好的に話しかけてきた。
 マナはKという名になにか引っ掛かりがあった。
 ……K……けい……ケイ……。ケイ?
 ……ケイ!
 『私はケイ。向こうだとK。人々の心の具現化でできたシステムの内の一つ。』
 ……そうだ!
 「……あの子がそう言っていた……。あの精神病院にいる女の子が!」
 「ふーん。お姉さんは向こうのKに会ったんだね?」
 マナが叫ぶように声を上げるがKの少女は別に驚いてもいなかった。
 「向こうの……K……。」
 「そう。実はあなたは一番真実に近いんだ。……あなたがこれからどう動くのか、向こうの私達の同胞も救ってくれるのか、私は楽しみにここで見ているからね。」
 少女Kは軽くほほ笑むとその場から姿を消した。
 「ちょっと!」
 マナが何だかわからず叫んだがマナもすぐに意識を失った。


 「このままじゃ遅刻しちゃう!」
 マナは商店街を焦りながら走っていた。現在は春の陽気漂う朝八時十五分。桜の花は残念ながらもう散っている。
 「もう少し!もう少しで学校!」
 マナはスカートを揺らしながら商店街を駆け抜ける。今は登校中だ。珍しくない朝寝坊で今日もマナは全力疾走している。
 「あーっ!今日は間に合わないかもしれない!」
 ……ん?
 走っていてマナは突然変な違和感にとらわれた。
 ……ちょっと待って……。
 マナは足を止めた。
 「私……なんで走っているの?こんな見たこともない場所を……。」
 マナの瞳が突然黄色に発光し、電子数字が回った。しかし、すぐに元の茶色の瞳に戻った。
 「私はついこないだ学校にいて、授業を受けて帰ってそれで日曜になってレティとアンと一緒に妄想症の子と会った。私は登校中じゃない。」
 引き返そうとしたがよく考えたらここがどこだかわからない。
 「……ここはどこ?」
 よくわからないがなぜか行ったこともない学校の行き道を知っていた。
 「……よくわからないけど……その学校へ行ってみよう。」
 とりあえず、マナは不安げな顔で学校への道を歩き始めた。
 しばらく商店街を歩いていると見たこともない学校についた。
 「……この学校は知らない……。場所もどこだかわからないのになんでこの学校への行き道を知っているの?」
 マナは不思議に思ったが恐怖は感じなかった。
 ……入ってみよう……。
 好奇心の方が強くマナははやる気持ちで校門をくぐった。
 少し古臭い学校だった。だがさびれてはいない。
 どこにでもある公立の高校のようだ。
 時刻は九時を過ぎた。
 学校は朝の慌ただしい朝礼が終わり、今はのんびりと一限目の授業に入っている。
 マナはなんだか場違いな気分を感じながら恐る恐る廊下を歩いた。この時間帯は寝坊した生徒が慌てて教室に入っていく時間帯でもある。
マナは慌てている三人の生徒とすれ違った。通り過ぎさまに制服を見るとなぜか自分と同じ制服を着ていた。
……この学生服はここの学校のものなんだ……。
……でもなんで私がここの学校の制服を着ているの?
学校の制服は着ているものの場所以外学校の事はわからない。
この学校に通っていたとしてクラスはどこなのか、時間割の状況もわからない。
……私はやっぱりこの学校の生徒じゃない。
マナはそういう結論を出し、とりあえず学校関係者に見つからない場所を探した。
……屋上……。
マナは四階の階段を上った後、五階へ続く階段を見上げた。五階は屋上になっているようだ。
……でも屋上ってだいたい鍵がかかっているはず……。
そんなことを思いながら階段を上ると重そうな扉があった。
マナはダメもとで扉のノブをひねった。
「あっ……。」
鍵がかかっていると思っていた扉はあっけなく開いた。
「開いた……。」
マナはそのまま屋上へ出て静かに扉を閉めた。
春のあたたかな風とまだ残っている桜の花びらが頬をかすめる。快晴の空がとても気持ちいい。
「屋上は開いているんだ……この学校。」
辺りを見回すとのどかな自然風景が遠くに見えた。しばらくぼんやりと風景やらグランドで体育をやっている生徒達を眺めるやらをやっていると少し目が疲れてきた。
マナは目を休めようと眼鏡をはずした。辺りは若干ぼやけたが少し遠くの方に大きな鳥居が存在していることに気がついた。
「……あれ?眼鏡していた時は見えなかったのに眼鏡をはずしたら鳥居が見える……。」
ひとりごとをつぶやきながら眼鏡をはずした状態で一周ぐるりと見回してみる。
鳥居は全部で三つあった。ちょうどこの学校を真ん中に正三角形を形成するように鳥居が立っている。
……ふーん。ぴったり正三角形になるように鳥居が立っているね。おもしろいわ。
……ん?……『正三角形に』鳥居が立っている?
マナは固まった。
再び眼鏡をしてみる。辺りは鮮明になったが遠くに見えていたはずの鳥居がなくなった。
「あれ?」
マナは再び眼鏡をはずしてみた。辺りはぼやけほとんど見えなくなったが遠くにある鳥居だけははっきり見えた。
……まって……この配置……どこかで……。
「はっ!」
マナは目を見開いて驚いた。そういえばアンが言っていた三つの鳥居と位置が酷似している。
「真ん中に……妄想症の精神病院があって……結界が……云々ってアンが……。」
マナは震える声でつぶやくと再び眼鏡をかけた。眼鏡をかけたとたん、その鳥居は跡形もなく消えた。
……一体どういうこと?眼鏡をはずすと見えるなんておかしいよ……。それにここは妄想症の病院じゃなくて学校……。
……何がどうなっているの?
 マナは突然、言いようのない不安と恐怖に襲われた。
 ……ここは何なの?私がおかしいの?
 マナは狂いそうになっていた。不安になればなるほど不安になってくる。
 その時、重度妄想症だったKと名乗った少女の言葉を思い出した。
 ……しっかり自己を保っていないと分解されちゃうよ……。
 「しっかり……自己を……保っていないと分解……されちゃうよ……。」
 マナは茫然と遠くの風景をながめた。下のグランドでは楽しそうに笑う生徒達が体育の授業でサッカーをやっていた。
 ……これから私はどうすればいいのだろう?
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