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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
変わり時…1交じる世界5
 やはりこの学校は自分がいてよい学校ではないと気がついたマナはアヤとサキに感謝しつつこの学校から一度外に出ることにした。
 こっそり校門を抜けて商店街を歩く。
 ……ここはどこだかわからないけど……とにかく……神が存在している……。
 マナは色々と考えながら当てもなく商店街を進む。
 「……。」
 ふと神社の鳥居が見えた。鳥居の階段で奇妙な格好をしている男を発見した。
 狐耳に赤いちゃんちゃんこ、白い袴……。瞳は青い。
 狐耳の男は大きく伸びをしながらおにぎりを食べていた。
 「……変な格好の人だな……。」
 マナは先程のように眼鏡を外してみた。前を歩く通行人は特に変わりはなかったが狐耳の男は沢山の電子数字に変わった。
 ……日穀信智神(にちこくしんとものかみ)……実りの神様。穀物の神……。
 ……やっぱり……あのひとも神だ……。
 神は……眼鏡を外すと電子数字になる……。マナが先程覚えた事実だ。
 しばらく観察を続けていると後ろから突然声がかかった。マナは驚きすぎて飛び上がってしまった。
 「ひい!」
 「あ……そんなに驚かすつもりはなかったんだよ。あんたがマナか?俺の未来見でちまちま出て来ていた女。そんでなんでか俺がこの壱(いち)の世界に来ちまった原因の女。」
 声は男だった。マナは恐る恐る後ろを向いた。目の前には赤い髪をした秀麗な顔の青年が涼しげに立っていた。
 「だ、誰?」
 マナは警戒しながらも眼鏡を少しずらした。もしかすると神かもしれないと思ったからだ。
 しかし、赤い髪の男は電子数字にはならなかった。
 「じゃあ……人間?」
 「ん?俺は人間じゃないぜ。時神未来神、湯瀬プラズマだ。」
 プラズマと名乗った男にマナはまた混乱した。
 「え?え?だって神様は電子数字になるんじゃないの?」
 「何言ってんだ?あんた?」
 マナの言葉にプラズマは首を傾げた。
 「あ、えっと……なんでもない。」
 マナは疑問を心にしまう事にした。今、そのことを言うのは混乱を生みそうだからだ。
 ここでマナはもう一つ、この世界について知った。
 ……神様は自分が電子数字であることを知らない。そして電子数字じゃない神もいる?
 「……あんた……どっから来たんだ?」
 プラズマが端正な顔を若干曇らせて尋ねてきた。その『どこから来た』という言葉は場所を指していないという事はマナも理解できた。
 「……実は……よくわからないの。」
 マナは素直にプラズマにそう言った。本当によくわからなかった。
 「あんたは人間なのか?不思議な感覚を纏っているようだが。」
 プラズマはマナにとても興味があるようだ。マナは警戒しつつも素直に話す事に決めた。
 「よくわからないんだけど……私、現人神(あらひとかみ)なんだって……女の子から言われたの。」
 「現人神……。じゃあ、あんたは人間と神の中間にあるって事か?」
 「よくわからない。ここがどこかもわからない……。」
 プラズマの質問にはマナは何一つ答えられなかった。
 「そっか。それじゃあまずはあんたがどっから来たかだなあ。俺の未来見で出てきた時には俺とあんたは近々起こる未来で一緒に行動をしているらしい。でもあんたは未来から来た者じゃないって事はわかる。俺は肆(よん)の世界には敏感でね。」
 「……肆の世界?世界ってそんなにいっぱいあるものなの?私もこの世界に着くまで三回くらい場所が変わったの。」
 マナがそこまで言った時、妄想症だった例の少女の言葉を思い出した。
 ……向こうの世界、行ってみる?
 「……向こうの世界……。そうだ!私は向こうの世界に行ったんだ!」
 「おい、向こうの世界ってなんだ?」
 マナが自己解決をしているのでプラズマはいぶかしげにマナを仰いだ。
 「あ……えっと……違う。向こうの世界に行ったって事は……えーと……そう!向こうの世界からこちらの世界に来たって事だわ!」
 「向こうの世界って言うと……まさか……あんた……。」
 マナの言葉にプラズマが戸惑いの色を見せた。
 「宇宙空間みたいなところでスサノオ様に会ったの……。それから……。」
 「あんた、伍(ご)の世界からこっちに来たのか!?まいったなあ……。」
 マナが最後まで言い終わる前にプラズマが目を見開いて叫んだ。
 「伍の世界?えっと……五番目の世界って事?なんでそんなに世界がいっぱいあるの?」
 マナは頭をひねりながら知っていそうなプラズマに問いかけた。
 しかし、プラズマは首を傾げた。
 「知らん。伍の世界はこちらでは全く資料がない。俺だって肆の世界から来たんだぜ。あ、肆の世界って未来の世界なんだってな。まあ、あんたとは同一じゃないけど俺もここじゃあ異世界人って感じか?なんか違うかな?」
 「と、いう事はプラズマさんは私とちょっと近い立場にあると?」
 「たぶん。」
 なんだか煮え切らない答えが返ってきたがマナはなんとなく安心した。自分と同じような境遇の人がいたという事がマナの警戒心を解いた。
 「私、ここで生活をしていかないといけないみたいなんだけどここはバイトとか通貨とかどうなの?あなたは私よりも早くにこちらに来たみたいだから、知っているかな?」
 なんとなく話せそうな感じだったのでマナは質問をしてみた。
 「んあ?あー……たぶんバイトはあるし、通貨はここは日本だから『円』だな。」
 「私達の世界と一緒だ。ここは神がいるだけで私達の世界と変わらないって事かな?」
 「あんたの世界は神がいないのか?」
 「いないよ。」
 プラズマの言葉にマナは小さく頷いた。だから戸惑っているのだと思いながら。
 「ふーん。なんか寂しいなあ。……ああ、こっちの世界は後、戦争がない。世界が分断される前の過去にはあったが。未来は……あんたがどう動くかによってたぶん変わる。俺の世界の時代で起こる……自然共存派戦争もあんたが動くことでなくなる可能性がある。どう動くかまでは色々障壁があって見えなかった。たぶん、そこから沢山の可能性があったんだろう。……あの戦争は……こちらの世界の人間と伍の世界の人間の戦争だったんだ。いつの間にか世界が融合している未来を見てしまった。」
 「世界は分断されていたって……スケールが大きすぎる……。私がその戦争を失くすことができるかもしれないの?」
 マナの質問にプラズマは軽く笑った。
 「まあ、あんたがこっちに来たことでその戦争が起きるってのも間違いじゃない。俺の未来見からするとあんたは天秤だ。戦争が起きる原因を作ったのもあんたでなくす可能性を持っているのもあんただ。俺には力はないがあんたの通る道を確かめる必要がある。俺はだからあんたを探してた。見た感じだとあんたはいいやつっぽいな。」
 「……。」
 マナはプラズマの言葉で詰まった。自分がおとぎ話の世界の主人公になったような気がしてきた。
 ……まるで物語の主人公だ。
 だが事態はマナが考えているほど甘くないらしい。戦争が起きるのは本当でその戦争の引き金が自分で争うのは自分の世界の住人達とこちらの世界の住人達。
 プラズマの言っていることがすべて正しいならマナは慎重に動く必要がある。
 ただでさえ平常心を保つのが必死なのにそんなことを言われたマナはさらに頭を抱えた。
 自然共存派戦争は『時神アヤが関わった事件で少し出てきた』が今のマナが知る由もなかった。

 「ま、とりあえずだな、俺はあんたを見ていたい。どうせ元の時代には戻れないし、いい暇つぶしにはなるだろ。ここは平成二十九年だろ?2017年か。だいぶん前だな。この時代忘れてるぞ。俺。」
 プラズマは楽観的に笑っていた。マナは笑いごとではなかったがプラズマに合わせて引きつった笑顔を向けた。
 「えーと……。私、どうしたらいいかわからないんだけど……。一緒に行動するって事?」
 「そういう事!興味本位だけどやましい気持ちじゃないから、そこは理解してね。」
 「やましい気持ちって……。」
 プラズマの眩しい笑顔にマナは頭を抱えた。
 だがなんとなく無害な気もする。
 「で、あんた、これからどうするの?」
 「どうするって……?」
 プラズマの突然の質問にマナは戸惑った。
 「だから、これからどこ行こうって思っているのって事だ。」
 プラズマは相変わらず楽しそうにマナを見ていた。
 「え……。どこ行こう……。とりあえず、この辺歩く。」
 「オーケー。」
 マナは困った挙句、ただの散歩をすることにした。プラズマは嫌がるそぶりをみせず、単純にマナの後を歩いてきた。
 ……なんかこの人、変かも……。どう対応すればいいんだろ……。
 マナは不安げな顔で当てもなく歩く。プラズマが気になりすぎて風景が頭に入ってこない。
 どれだけ同じ道を行ったり来たりしたかわからないがマナの足が疲れ始めた頃、マナとプラズマを呼ぶ声が聞こえた。
 「マナ!っと……プラズマ!?あなたはなんでここにいるのよ!」
 声の主は先程の少女アヤだった。アヤはマナに目を向けた後、プラズマに目を向けて驚いていた。
 「あー、アヤか。久しぶりだな。」
 「久しぶりじゃないでしょ!なんでいるのよ。ここは現代よ。」
 呑気なプラズマとは反対にアヤは焦った顔をしていた。
 「そうなんだよな。俺、なんでか現代に来ちゃったんだよ。散歩してたら急にここにいてだな。」
 プラズマは少し困った顔でアヤを見ていた。
 「はあ……つまりは……また時間が狂う何かがあるというわけね。栄次は……。」
 アヤがため息交じりにつぶやき、プラズマがそれを拾って答えた。
 「栄次は今回関係ないっぽい。つまり、未来なんだ。」
 プラズマは少し楽しそうにマナに目を向けた。マナは身体を強張らせながら引きつった笑みを返した。
 「未来……あなた……一体……。」
 アヤがマナを不気味そうに見ている。マナもなんだか徐々に怖くなってきた。
 ……一体自分のようなちっぽけな存在が世界にどのような影響を与えているというのか……。
 マナはわけがわからずにアヤに向かい首を傾げた。
 とりあえず『何か話さないと』と思ったマナはアヤに外れた問いを投げかけた。
 「アヤさん……学校は……?」
 「学校?ああ、あれはもういいのよ。それよりも……。」
 アヤはマナの言葉をてきとうに流した。
 「アヤ、今回は俺とマナで動くからアヤは注意深く現代を見ていてくれ。」
 プラズマが焦っているアヤをなだめてほほ笑んだ。
 「……そ、そう。時間関係が狂うのは嫌だわ。一番、気持ちが悪くなるもの。」
 「わかってるって。あんたは現代神なんだから現代を『今』を守ってろ。『今』ですらおかしくなったらあんたの出番だ。」
 「……そうね。」
 アヤはまだ納得がいっていなさそうだったが渋々頷いた。
 「なあ、アヤ。」
 プラズマが思い出したようにアヤに会話を投げかけた。
 「何よ?」
 「俺達、これからどうすればいい?」
 プラズマがマナをちらりと横目で見つつアヤに尋ねた。
 アヤは明らかな呆れ顔を作った。
 「知らないわよ……。でも……まあ、そうね……。情報を集める面でも過去、現代、未来が繋がっているといった面でも……図書館に行くのがいいんじゃないかしら?」
 アヤは首を傾げながらため息交じりにそう言った。
 「そうか!なるほどな。参考になった。じゃあ、これから行こう!」
 プラズマはアヤにほほ笑むとマナに目を向けた。
 「図書館って……本で調べるの?」
 マナは完全に話についていけずに頭を悩ませていた。
 「違う。人が利用する図書館じゃないよ。神が利用する図書館だ。あそこの本には興味がないが……あそこにはひとり興味深い神がいる。」
 「本じゃないの?」
 「本よりももっとすげぇ奴だ。図書館のブレーンだよ。」
 「ぶれーん……。」
 プラズマは茫然としているマナの腕を掴んで歩き始めた。
 「アヤ、ありがとな。あんたもちょこちょこ原因を調べて見てくれ。」
 「わかったわ。気を付けて。」
 プラズマとアヤの会話はかなりドライだった。プラズマに腕を持っていかれながらマナは後ろを振り返った。
 少し疲れているアヤの顔が徐々に遠くなっていった。


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