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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
流れ時…1ロスト・クロッカー6
朝になり平安京が騒がしかった。まぶしいばかりの太陽だが息は白くとても寒い。
アヤはあまりの騒ぎに飛び起きた。
「な、なに?というかなんで鎧着てるの?」
隣にはなぜか甲冑姿の過去神が座っていた。どうやら一日付き添ってくれたらしい。
「いままで木曽次郎義仲が暴れていたんだ……。征夷大将軍に任命されたからな。それが後白河上皇の作戦だという事も知らずに……。まあ、法住寺を焼き討ちして院を幽閉したのは義仲だから何にも言えんがな。」
過去神は遠くを見るような目でつぶやいた。
「義仲……木曽の義仲……。」
「そうだ。都ももう危ないな。戦がはじまる。」
「戦……。」
そこまで言いかけた時、塀の外から弓矢が飛んできた。
「お前は逃げろ。巻き込まれたらいかんだろう。」
「あなたは?」
「俺は義仲の軍という事でここにいる。敵が来たら戦うまでだ。」
過去神は刀を握りしめた。
「……。」
アヤは複雑だった。
木曽義仲はいずれ近江で討ち死にする。
平家物語で有名なところだ。
塀の中に入ってくる弓矢の数が先程よりも多くなっていた。
近いところで男達の叫び声が聞こえる。
逃げたいのはやまやまだがどこへ逃げればいいかわからない。
「しょうがない。来い。」
「わっ!ちょっ……」
過去神は迷っているアヤの手を掴むと屋敷の外へ飛び出した。
目の前は戦場だった。
馬のいななきと弓が唸る音と刀の響く音と鎧を着た男達の叫びが入り混じっている。
あちらこちらに血まみれの死体が転がっていた。
「ううっ……」
アヤはまた気持ち悪くなり口を手で押さえて必死で吐くのをこらえている。
「やはり……義経と範頼か……。」
「義経って源の九郎義経?」
「そうだ。六男範頼と九男義経。義仲を殺しにきたな……。」
過去神は平然と襲ってきた男達を斬っていく。
血しぶきが上がるが過去神は自分にかからないように斬っているようだ。
アヤは目の前で倒れていく人々に絶句した。
悲鳴もあがらなかった。
人って……こんなに簡単に殺していいの……?
現代とのギャップにアヤは目から涙がこぼれていた。
別に知っている人間ではないが……なんだか悲しかった。
「どうした?怖いか?これだから女は困る。」
「何言っているのよ……。人が……」
「日常茶飯事だ。弱い者は死ぬのが決まりだ。」
「……。もう……いや……。だれか……現代に戻して……」
「……お前……。」
過去神は襲ってくる男達を斬り捨てながらつぶやいた。
「っち……。わかった。来い。」
ぐずっているアヤの手を掴み過去神は走り出した。
「どこいくの……。」
「逃げればいいのだろう?」
アヤの足がガクガクしているのに気がついた過去神は舌打ちをもう一度するとアヤを抱えてまた駆けだした。
襲ってきた義経軍を華麗にかわし、弓を刀で弾きながら馬を探す。
鎧はとても重いので人一人抱えて走るのは大の男でもきつい。
ふと横目で見ると鎧を着た女の人が馬を乗りまわして戦っていた。
「巴……御前……。」
巴は何も言わずこちらをちらりと見ただけで男達の中へ入って行った。
「助かったな。」
「え?」
「彼女が足止めしてくれるそうだ。いまのうちに行くぞ。」
近くで暴れていた馬を落ち着かせ過去神は馬に乗り、前にアヤを乗せた。
そのまま狭い道を風の如く駆けた。
「……聞きたいことがある。」
馬を操りながら過去神は低い声でつぶやいた。
「な、何?」
「お前が知っている歴史を教えてほしい……。」
「……。」
アヤは過去神の言葉にどう答えようか迷い、しばらく黙りこんでいたが我慢できなくなり話しはじめた。
「義経軍の佐藤兄弟が帝をお守りし、義仲軍は京を出て逃げていたの。木曽を目指していたけど逃げ切れないって悟って義仲は巴御前を逃がしたの。その後、近江粟津で雑兵の放った矢で討死。今井兼平も自害したわ。」
「そう……か。」
一瞬、言ったらまずいのではないかという考えもよぎったがどうしても我慢できなかった。
「あなた、歴史……変えないわよね?」
「変えない。というより変えられない。歴史を時の神が動かす事はできない。歴史を動かす管轄なのは人間だ。俺が斬った人間も意識が戻った時にはかすり傷一つしていないだろう。我々時の神は時間を守るだけだ。その他に権限はない。」
アヤはまたわからなくなってきた。
今の過去神の言葉だと戦争などの歴史を違う時間軸に移す事は出来ないらしい。
それに人を殺そうと思っても殺せないようだ。
考えていると過去神がまた口を開いた。
「……俺が……できるかわからんが未来に戻せるようになんとかしてやろう。」
そうだ。とりあえず、今は現代に戻る事を考えよう。
アヤはそっちの方に考えを持って行った。
「ありがとう……私、未来に……飛びたいの。現代にぎりぎり入らない未来へ行って現代の時計をみつけて……あ……でも……その時代に時神がいるかわからないのよね……。」
「時神などどの時代でもいるだろう。時と共にいるのだからな。」
二人は京の都を出て木々が枯れている林の中へ入って行った。
林の中にも死体は転がっていた。
だが、京よりも安全なのは間違いなかった。
過去神は馬を止めるとアヤを地面に降ろした。
「……。ありがとう。あなたがいなかったら私、死んでいたわ。」
「礼は戻れてからにしろ。俺は戻せるかなんて知らんのだからな。」
「……。じゃあ、描くわ。」
アヤは紙とボールペンを出すと時計を描いた。
「ほう、これが時計か。」
「年代は……二千十五年……」
描いた紙を過去神に渡したが何も起こらなかった。
「やはり、無理なようだな。」
「まだ、あきらめないわ。もしかしたらこれはまだ現代っていう管轄なのかもしれない。もう少し時間をずらしてみるわ。」
アヤは内心ドキドキで今度は二千三百年と明記した。
すると過去神に紙を渡してもいないのに紙が光だした。
「え?」
不思議に思う隙すらなかった。
アヤは光に包まれた。


なんでよ!
なんで?
アヤは心でそう思っていた。
さっきの地獄はどうしたのか穏やかな日の光がさしている公園をカップルが通り過ぎて行く。
あきらかに現代ではないが源平の時代でもなかった。
アヤは公園のようなところで一人立っていた。
噴水が日の光できらきらと輝いている。
まわりは高層ビルが立ち並んでいてサラリーマンや子供がたくさん歩いていた。
アヤは少し暑かったので羽織っていた着物を脱いだ。
「ここ……まさか二千三百年の……東京?」
綺麗に手入れされた植木と磨かれたタイルの地面。
大都会の中の憩いの場のようにある公園。
なんで?
なんで私……タイムスリップしたの?
過去神はあの紙に……ふれてもいないのよ?
なんで?
その時、近くで自分をみている目線を感じ取った。
アヤはきょろきょろとあたりを見回す。
一人の男と目が合った。
男はこちらをまっすぐ見つめている。
アヤにはその男が誰なのかわかってしまった。
「……未来神……湯瀬……プラズマ……。」
「あれ?なんで俺の名前知っているの?それよりもその恰好どうしたんだ?」
未来神はあの時の険しい顔ではなくニコニコ笑っていた。
軽い感じでアヤに話しかけてきた。
「……。あなた、私に何か恨みでもあったの?」
「ええ?よく見たら怪我してんじゃないか。どうしたんだい?」
未来神は聞いていないのかアヤを舐めるように見ている。
「あなたが……やったんじゃない……。」
「何?俺が?なんで女の子を傷つけるような事しなければなんないんだ?」
ここでもそうだ。
さっきの過去神といい、私を殺そうとしてこない。
いつからだ……
いつから私は二人の的になった?
まず、なんで殺されそうになっているの?私……。
無性にそれが知りたくなった。
「あなたは歴史を動かす事ってできるの?」
この未来神もアヤに危害を加えなさそうなので質問してみる事にした。
「できない。歴史の管轄は人間じゃないか。歴史をつくるのは人間だよ。俺は時と共に生き、ただ未来を守っているだけさ。」
と、いう事はやはり時の神は起こった出来事を戻すことはできないし、違う時代に飛ばす事もできない。
「つまり……そういう事……」
そう考えると現代神が言っていた事は嘘になる。
現代神は未来神と過去神が時間を狂わせていると言っていた。
しかし、二人には歴史を変える能力はない。
いや、そうとは限らない。
二人が嘘を言っている場合だってあるのだ。
歴史を動かせないと見せかけて現代神を欺き、二人で一気に歴史を動かしたり止めたりしようとしている可能性だってある。
「なあ、どうしたんだ?さっきから福音さんみたいな顔して……。」
「福音さん?」
「あれ?福音さん知らない?最近出てきた議員なんだけどいつも眉寄せて険しい顔している人なんだ。ええと、確か自然共存の精神をひたすら国民に言いかけている人でさあ。」
「へえ。」
こうやって話していると彼には悪っけがまったくない。
「まあ、とりあえず怪我治そう。」
未来神はポケットから液体の入ったビンを取り出した。
「なにそれ……」
液体は青色をしていてなんだか不気味な色を放っている。
「飲みな。ほら。」
「飲みなって……。」
戸惑っているアヤに無理やりビンを押し付けると未来神はにこりと笑った。
「今、はやっている傷薬だ。血小板とか傷口を治す細胞を活性化させてなんかやる薬だ。俺もよくわかんないけど一瞬で治るよ。西条ケレンさんっていう外国の方とのハーフのあの人が発明したっていう……。」
「知らないわ。」
「え?知らない?ははっ、というか君、何時代からきたんだい?その古代の着物といい、コスプレ?それとも君も時神?まあ、俺を時の神だってわかるところからすると時神と考えるのが妥当か?」
「私は人間よ?」
「人間は歴史をつくるのみで時代は渡れないよ。時代を渡れるのは中立の立場を保っている現代神だけさ。」
「……現代神……だけ……。現代神だけの能力……だから過去神は特殊な能力って……」
「そうだ。君、時代を渡ってきたんだろ?じゃあ、現代神だよね?」
「違う……私は勝手にタイムスリップしちゃっただけ。」
アヤの頬を冷や汗が伝う。
私って……なんなの?
現代神がなんかしたのかしら……
そうだ。そうに違いない……。
現代神が私になんかしたんだ。
「ま、いい。とりあえず、それ、飲めよ。」
「……。」
未来神が青い液体を指差す。
彼らは一度アヤを殺そうとしたやつらだ。アヤはどうしてもこの液体が毒にみえてしかたなかった。
「毒……じゃないわよね?」
「毒?毒って時代劇サスペンスとかで出てくる毒を盛るってやつの事?」
「時代劇サスペンス?」
「ほら、今やってるよ。」
未来神はビルの前にデカデカと貼り付けられている薄型超巨大テレビを指差した。
そこでやっていたテレビはアヤの考えている時代劇とは違った。
現代で普通に放送されているサスペンスドラマ……
「これが……?これ、普通のサスペンスドラマじゃない。」
「時代物のサスペンスドラマさ。」
「時代物?これが?」
そこで気がついた。
私はいま、未来に来ているのだと。
そうか……私が生きている時代は過去か……それで時代劇……
アヤが考えにふけっていると未来神が首をかしげて困っていた。
「ああ、ごめんなさい。私からすればここは未来だから。感覚が狂っただけ。」
「ふーん。あ、俺さ、一度過去に行ってみたいんだ。君なら過去に行けるだろう?」
「行けるかわからないわ。いままでだってなんでタイムスリップしたのかわからないんだから。」
「ま、そのことは後で聞くからとりあえず薬飲みな。そのまんまでいたら変な目で見られるよ。」
未来神に言われてまわりの目が気になってきたアヤはどうにでもなれという気持ちでビンの蓋を開けると目をつぶって液を飲み干した。
すると一瞬で皮膚のひきつるような感覚が消えた。
よく見ると擦りむいた膝ももとに戻っていた。
「嘘……。」
「たいした傷じゃなくて良かった。これで大丈夫だ。じゃあ、話を聞こうか。」
「え?あ……うん。」
この時代の人間はこうやって傷を治しているらしい。
アヤはゲームの中などによく出てくる回復アイテムを想像した。
「まず、なんでこの時代に来たんだ?」
「話せば長くなるの……。」
現代神がいきなり現れた事、未来神、過去神に殺されそうになった事などをアヤは簡潔に話した。
「……そうなんだ。それ、俺も気になるな。その話けっこうおかしいんだよな。時神は歴史なんて動かせないし。それに俺は君に異種って言ったのか……。意味わからないね。まあ、まず、君を連れまわした現代神を探そうか。」
「え?一緒に来てくれるの?」
「気になるからさ。一緒に行くよ。」
「一応、お礼言っておくわ。」
二人は現代神を探すため別の時代に行こうと試み、時計を探し始めた。

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