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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
変わり時…1交じる世界6
 マナとプラズマはここら周辺の図書館に向かって歩き出した。
 今は商店街を抜け駅前へと来ている。近くに商店街があるからか駅前には大きな商業施設がない。どうやら商店街の方がこの駅周辺では観光スポット並みに有名なようだ。
 その駅の近くに役所があった。その役所の建物の横に大きな図書館が堂々と建っていた。
 「おー、やっぱりあった!図書館。絶対駅前にあると思ってたんだ。」
 プラズマはホッとした顔をマナに向けた。
 「鋭い勘……。まあ、でも図書館なら確かに駅前の事が多いかも。」
 「じゃあ、いこっか。」
 マナの返事を待たずにプラズマはマナを引っ張り図書館内へと足を進めた。
 自動ドアから静かな館内に入る。天気が晴天だからか館内は少し暗く思えた。
 ロビーを通り抜けてプラズマは『図書館入り口』と書かれたドアを押した。
 「えーと……どこだ?」
 プラズマは図書館に入るなり独り言を言いながら辺りを見回しはじめた。
 「どこって?」
 マナが尋ねたがプラズマは答えなかった。
 しばらくまごまごしていると受付の女性がこちらに向かって来た。
 「この本棚を左へまっすぐ、その後、右です。」
 女性は意味深な一言を発すると再び持ち場へと戻ってしまった。
 「な、何?」
 マナが突然話しかけてきた女に戸惑いの声を上げた。
 「あー、あれは図書の神、天記神(あまのしるしのかみ)の操り人形だ。人間には見えない。俺達専用の図書館案内係だよ。」
 「は、はあ……。」
 プラズマはマナにほほ笑んだ。マナもよくわからずにとりあえずはにかんだ。
 「よーし、じゃあ、行こうか。えー……ここを左で突き当りを右か?」
 プラズマはマナを軽く引っ張り本棚と本棚の間を歩き始めた。
 「お、あった。」
 本棚の突き当りを右に行った時だった。プラズマが声をあげたのでマナもプラズマの脇から顔を出した。
 奥に不自然な空間があり、本棚の一つに一冊だけ真っ白な本が置いてあった。
 違和感がある理由はおそらく、本棚に本が一冊しかないからだろう。
 プラズマはその異質空間に平然と入り込み、白い本の前で立ち止まった。手招きされたのでマナも慌ててプラズマの元へと走った。
 「これだよ。」
 プラズマは白い本を手に取り、マナに見せてきた。
 白い本には『天記神』とだけ書いてあった。
 「……てんきしん?」
 「いや、これは『あまのしるしのかみ』と読むんだ。」
 「あまのしるしのかみ……。神様……その本が……。」
 「いや、彼はこの中にいる。」
 「中!?」
 マナは目を見開いて驚いた。プラズマは平然と頷いた。
 「そうだよ。じゃ、さっさと行こうや。」
 「え?どうやって?」
 マナが質問をした時、プラズマが悪戯っぽい笑顔を向けた。
 「単純な事だ。」
 プラズマはそう一言発すると白い本を開いた。
 刹那、マナの意識は遠くなり、真っ白な空間内に消えた。

 気がつくとマナはある古びた洋館の前に立っていた。辺りは森で囲まれており、霧のような白いもやが全体的に覆っていた。
 「驚いたか?ここはあの白い本の中だ。」
 洋館を眺め茫然としているマナにいつの間にか現れたプラズマが胸を張って言った。
 「驚いた……。明治時代の建物みたい……。本の中とは思えない。」
 「ふっ。白い本の中に入った事はマナはもうなじんだんだな。建物に驚いているくらいだから。こりゃあ、一筋縄にはいかない。あんたはある意味、すごい能力者だ。」
 すぐに興味が移ったマナにプラズマは驚きの声を上げた。
 「それで天記神さんは?」
 マナの興味は早くも神に移った。
 「あの図書館の中にいるよ。」
 「あれ、図書館だったの?」
 マナの驚きの声にプラズマは笑った。
 「そうだ。ま、パッと見てただの洋館だわな。じゃ、さっさと行こう。」
 プラズマは素早くマナを促してアイビーだかヘデラだかがつたう緑だらけの洋館のドアを開けた。
 「おじゃましまーす……。」
 重たい扉をプラズマが開けてからマナが恐る恐る声をかけた。
 「はーい!いらっしゃいませ。あら?プラズマさんと……あなたは……。」
 マナが声を上げた刹那、女っぽい男の声が聞こえた。
 「あらあら。まさかねぇ……。伍の世界の子だったりして?」
 「ご名答!さすが知識神!」
 女っぽい男の声にプラズマがおどけるように手を叩いた。
 「それは関係ないわよ。なんとなくわかっただけです。」
 女っぽい男の声は少しふてくされていた。
 姿を見ようとマナはそっとプラズマの脇から顔をのぞかせた。沢山の本棚をバックに青いきれいな長い髪を持つ秀麗な顔の男性と目があった。瞳は不思議な事にオレンジ色で頭には星をモチーフにしているのか星形の帽子が乗っている。紫色の水干袴のようなものを着こんでいてどこか品を感じた。
 ……それなのに女の人っぽい……。男の……神様だよね?
 マナは彼を見て少し混乱したが彼が彼女であることに気がついた。
 「ふ、複雑だ……。」
 マナの一言に天記神はコロコロと笑った。
 「何をお考えかしら?私は心は女です。ほほほ。」
 天記神はマナが考えていることをすべてお見通しだったようだ。マナは顔を赤くしてうつむいた。
 「ま、それは置いといて。話の通り、この子は伍の世界の住人なんだ。で、俺達は何か行動しなきゃいけないっぽいんだけど……どうしたらいいかわからないんだ。」
 プラズマは愛嬌のある顔で笑いかけた。
 「どうしたらいいかわからないって……私もわからないです。本ならばお貸しできる範囲でお貸しいたしますけど。」
 天記神は困った顔で首を傾げた。
 「じゃあ、なんか情報とかでも。最近変なニュースとか……。未来に関係する事とかで。」
 「んー……。情報ならば神々の情報新聞を書いている天界通信本部に行くのはどうかしら?……あ、そういえば……こないだの新聞で海外から時の神の方のクロノスさんが来ているって書いてあったわ。クロノスさんの波形の神かもしれませんけど、今はリョウと日本名を名乗りながら日本を満喫しているとか。」
 天記神の言葉にプラズマは目を輝かせた。
 「それだ。日本版の時の神じゃないところがミソか。そいつに話を聞こう!何かわかるかもしれない。」
 「単純ね……。ちゃんと新聞を読みましょうよ。」
 「いやー、俺、人間のやつしか読まねぇから。」
 天記神にプラズマはまた悪戯っぽい笑みを浮かべて答えた。
 「どうしますか?お茶でも飲んで行かれます?」
 「いや。そのクロノス……リョウだったか?はどこにいるんだ。」
 プラズマは閲覧席に座るように促した天記神を押しとどめ、尋ねた。
 「えーと……そうね。確か……。」
 天記神は考えながら田舎の村名をあげた。
 近くに海とバックには山、観光地の海岸よりもはるかに先の電車すら通っていない小さな村の名前だった。
 「なんでクロノスはそんなところに……。」
 「さあ?知りません。」
 プラズマのつぶやきに天記神は再び首を傾げた。
 「ま、いいや。とりあえず行ってみる。ありがとう。マナ、行くぞ。」
 突然名前を呼ばれマナは飛び上がって驚いた。
 「行くってどこ?」
 「聞いてなかったのか?クロノスに会いに行くぞ。まずは気になる事を片っ端からやっていく!」
 「ええっ!あっ、待ってよ!」
 先程のアヤの時と同じようにマナはプラズマに腕を取られ強制的に歩かされた。
 またも遠くに天記神の困った顔がマナを見つめていた。
 

 洋館を出て森の一点部分に足を踏み入れた刹那、マナの視界がまたも真っ白になった。
 我に返ると先程までいたごく普通の図書館に足をつけていた。目の前には先程と同じように白い本が一冊だけ置いてある。
 「戻ってきた。じゃ、こっから外に出て鶴を呼ぼうか。」
 「鶴?」
 勝手に歩き出したプラズマにマナは疑問の目を向けながら後に続いた。
 「鶴はツルだ。神々の使いだよ。」
 「……はあ……。」
 プラズマはさも当然のように手を広げた。再びわからない事が出たマナは首を傾げながらとりあえず返事をした。
 自動ドアから外に出てプラズマは太陽を眩しそうに手で遮りながら笑った。
 「ま、見ててみ。」
 「……う、うん。」
 なんだかわからなかったがマナはとりあえず頷いた。
 しばらくプラズマと共に青空を見上げていると大きな翼を羽ばたかせている人間のようなものが飛んで来るのが見えた。
 「ひぃ!?」
 マナは驚いて不思議な悲鳴を上げた。
 「ああ、あれがツル。人間には見えない神々の使いだ。ちなみにやつらは鳥になっている時は漢字で鶴。人型の時はカタカナでツルと表記しているようだ。」
 「ひっ……人型!?」
 神が存在している世界という事は辛うじて理解ができた。しかし、動物が人型になるところまでは理解ができない。
 そうこうしている内にツルがプラズマの前に着地していた。全体的に白と黒だ。白い着物に黒い袴、肩に赤いファーのようなものがついている。髪も白と黒で全体的に白、毛先だけ黒い。その髪を中国の宋の時代の様に上でまとめている。端正な顔立ちで目元に赤いアイラインを引いている青年だった。どこかの俳優のようだ。
 「よよい!行き先を提示してくれよい!」
 青年は顔に似つかわしくない言葉を吐くとプラズマとマナに深くお辞儀をした。
 「俺は主にツルを移動用に使うんだ。けっこう便利だぞ。」
 プラズマはマナに笑顔を向けるとツルが引いている駕籠を指差した。よく見ると四、五羽の鶴が脇の方にいつの間にかいた。
 「これ……江戸時代とかにあった駕籠ってやつかな?」
 「んまあ、中は結構心地いいぞ。ローカル線とかでよく見る電車のワンボックスみたいな感じだ。」
 マナとプラズマが話しているとツルが再び口を開いた。
 「よよい!行き先はどこだよい!」
 このツルは神々の使いだと言うのにどこか神々よりも偉そうだった。
 「ああ、悪いな。えっと……ちょっと不便な場所なんだが……。」
 プラズマは村名を素早く伝えた。
 「了解しましたよい!駕籠にどーぞ。」
 ツルはマイナーな村を瞬時に理解したようだ。そこら辺のタクシーよりもはるかに場所に詳しい。
 マナは感心しつつ、早くも興味が駕籠の中へと移っていた。
 「じゃあ、行くか。あんた、本当になじむのが早ぇんだな。さっきのツルの件はもう驚いてないのか。面白い。」
 プラズマは興味津々にマナを見、その後駕籠へと促した。

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