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ごぼうかえるのTOKIの世界!
皆に元気を与えたい! 前向き楽しいブログを目指す(*^.^*) 口蓋裂の娘ちゃんと軽いADHD、軽いチック症状を持つ旦那と楽しくのんびりな日常をドールちゃん達が紹介する! 独自世界の幻想日本神話、自作小説書いています! 神と人形と人間と霊、そして『K』の季節感じる幻想データ世界TOKIの世界へようこそ! 和風SF日本神話の世界です( ´∀`)
明かし時…1ロスト・クロッカー7
 ナオ達は再びアヤの部屋に入り込み、たくさんある時計を一つ一つ調べていた。
 「栄次、時神の神力、わかりますか?残念ながら何もわからないのですが……。」
 ナオは首を傾げながら時計を撫でていた。
 「うむ……。はっきりとはわからないのだが……この時計だけ不思議な感じがするな……。」
 栄次は眉をひそめながら新品そうな時計を持ち上げた。横にいたムスビは栄次が持っている時計をまじまじと見つめていたが何もわかっていなさそうだった。とりあえず栄次はムスビに時計を渡した。
 「……これ、新しそうだな。やっぱ俺にはわからないなあ。」
 ムスビは一通り眺めると今度はナオの手に時計を置いた。
 「そうですね……。私もよくわかりませんがまだ買ったばかりのような気もします。」
 「ちょっと貸してくれるかの?」
 「はい。ヒメさん、どうぞ。」
 ムスビからナオに渡った時計はナオの隣にいたヒメに渡った。
 「歴史の分析をした所、職人さん手作りの目覚まし時計のようじゃ。昨日完成し、この家に届いたようじゃな。値段は一万円超じゃ……。アヤは前々からこの時計を狙ってお金を貯めていたようじゃな。」
 ヒメの分析にムスビは驚いた。
 「そんなこともわかるのかい?」
 「……わかるというか……この時計に携わった人々の歴史を見ただけじゃ。時計の事はわからぬがそれに関わった人の歴史ならば見れるからの。ワシは人の歴史を管理しておる故。」
 「な、なるほど……ヒメちゃんってすごいんだね。」
 ムスビは時計とヒメを交互に見つめながらつぶやいた。
 「で?栄次殿、これが時渡りした時計なのかの?」
 ヒメは時計から目を離し、栄次に目を向けた。
 「それはわからんのだがこの時計だけ神力が宿っているように思えるのだ。」
 栄次はなんとも言えない顔で首を傾げた。自信はなさそうだった。
 「まあ、今の段階では少しでも可能性がある方へかけたいな。栄次の思った通りに動いてみるしかねぇだろ。な?ナオさん。」
 ムスビはナオに目を向けた。
 「そうですね。今はそれしか手がありませんので……。ここは栄次の時神の勘を信じましょう。」
 ナオは大きく息を吐きだすと気合を入れた。
 「では……この時計が示す時間に行ってみるかの?昨日の昼過ぎくらいの時間帯だと思われるのじゃ。」
 「よし、じゃあそれで行こう。俺はよくわかんないからさ。」
 ヒメの言葉にムスビが元気よく答えた。
 「お、おい。正しくないかもしれんぞ……。」
 勝手に話が進み、栄次は困惑した顔でナオ達を見ると焦った声を上げた。
 「大丈夫です。間違えたら急いで戻りましょう。なにせ手がかりがないのですから片っ端からやらないといけないと思います。」
 「そうか。」
 ナオの発言に栄次は一言短く言うと口を閉ざした。
 「では行きましょう。ヒメさん、お願いします。」
 「う、うむ。いいのじゃな?それではさっそく転送するのじゃ。」
 ヒメはナオの合図でナオ達を過去の世界、参(さん)に飛ばした。
 ほぼ一瞬で何も考える余地はなく、ナオ達は白い光に包まれていた。気が付くと少しだけ違うアヤの部屋にナオ達はいた。昨日の日付の特売のチラシが床に散らばっており、先程触っていた時計は箱の中に入ったままだった。
 「……昨日に来た……ようだな。」
 栄次が小さくつぶやき、ナオとムスビはハッと我に返った。
 「あ、あれ……?ヒメちゃんは……?」
 頭が働きかけてきた頃、ムスビはヒメがこちらに来ていない事に気が付いた。
 「もしかするとヒメさんは送る事はできますが自分が過去に来る事はできないのではないでしょうか?」
 「じゃ、じゃあどうやって元の世界に……。」
 ナオとムスビは顔色を悪くした。
 「ん?ワシがどうしたのじゃ?」
 ふと隣からヒメの声がした。ヒメは廊下の方でこちらを窺うように立っていた。
 「良かったです。ヒメさんも過去に渡れたのですね。」
 ナオから安堵の吐息が漏れる。ヒメは少し複雑な表情で首を振った。
 「あ……えっといや……そなたらの世界で言うと……ワシは過去……えーと、参の世界のヒメじゃ。今は明日の自分とリンクしておるので一応、話はわかっているぞい。」
 「え……?よ、よくわかりませんがあなたは昨日のヒメさんという事ですか?」
 「うむ。そなたらからするとそうじゃな。しかし、中身は明日の自分じゃ。」
 戸惑うナオにヒメは落ち着いて答えた。
 「中身が明日の自分って……。」
 「じゃから、記憶を明日の自分とリンクさせておるだけじゃ。」
 「じゃ、じゃあ、別にさっきまで一緒にいたヒメちゃんと変わらないわけだよね?」
 「そうじゃ。」
 ムスビの動揺している声にもヒメは落ち着いて答えた。
 「ま、まあ話が通じるのならばそれでいいです。では、行きましょうか。」
 ナオはまだ戸惑っていたが徐々に落ち着きを取り戻した。
 「あ、ちょっとナオさん、行きましょうってどこへ?」
 ムスビがナオに手を広げて「わかりません」のポーズをとる。
 「……そ、それは栄次の時神を探知する能力で……なんとか……。」
 「俺か?何度も言うが……俺には自信がないぞ。」
 もじもじとしているナオに栄次は呆れたようにため息をついた。
 「やっぱり勢いで来たのかよ。」
 ムスビは頬を赤くしているナオを楽しそうに見つめた。
 「ム、ムスビ!楽しそうに笑っている場合ではございません!早くしないとアヤさんがっ……。」
 「あーあー、わかったよ。少し落ち着いて。ナオさん。とりあえず、栄次に任せよう。」
 「お前も結局は俺なのか……。」
 ナオをなだめるムスビを横目で見た栄次は再びため息をついた。
 

 アヤ達はとりあえず、ファミレスで春野菜を使ったセットメニューを二人でつつき、ある程度お腹をいっぱいにした。
 「実はね……。」
 少し安心したこばるとがアヤにひかえめに声をかけてきた。
 「ん?どうしたの?」
 「実は神は別に食事をとらなくてもいいんだよ。僕達はこの世界に生きているわけじゃないんだ。僕達は人間から想像して作られたプログラムのようなものだからパソコンのデータと同じなんだ。」
 「あら……。そうだったの?じゃあ、こばると君はお腹がすいてなかったのね。」
 アヤはもう何を聞いても驚かなかった。驚く事が多すぎて今更驚けなくなったのだ。
 「うん……。まあ、食べなくてもいいんだけどやっぱりお腹はすくんだよね。電子機器の充電と同じ感じかなあ。高天原では皆、人間が想像した物を食べているね。その場にあって実はその場にない。想像物がデータ化されて置いてあってそれを体に取り込むみたいな感じ。はたからみると人間と同じように普通に食事しているように見える。」
 「へ、へえ……じゃあ、私もそうなるの?私、これから時神になるのよね?」
 アヤはからのお皿を店員に渡しながら尋ねた。
 「時神は人間から神に変わっていくから君の場合、まだしばらくは変わらないと思うよ。と、言っても時神の生が人間から始まるっていうのも人間が想像してできたルールなんだけどね。だから君は人間の想像から人間と変わらない仕組みにされたわけだよ。えっと、つまり今の段階でも君は人であって人じゃないんだ。」
 「なるほどね。私は人間に想像されて作られた人間って事ね。今は。」
 「そういう事だね。」
 「時神は人に見えるって言うのも人が決めたルールなの?」
 「うん。『昔から時神は人に紛れて生活をしている』って人間が決めたんだよ。」
 こばるとの言葉でアヤは神が人を支配しているのではなく、人の想像力が神を生み出していることを知った。
 「……人は考える力でルールを作り、それで自分達を無意識に縛っているわけね。」
 「ま、まあ……そう言われればそうかもしれないね。でも、この世界の人は皆けっこう楽しそうに生きているからいいんじゃないかな。それでも。」
 「そうね。人は考える生き物だもの。大脳が発達しているからね。」
 アヤはふふんと笑うとお冷に口をつけた。
 「大脳……。こ、細かい話はよくわかんないけど、そろそろ出ようか?あ、大丈夫、もう僕は君を殺そうなんて思わないから。歴史は元に戻したよ!」
 「え?あ、うん。」
 必死な顔のこばるとにアヤは戸惑いながら答えた。
 「僕、君といると……なんだか落ち着くんだ。同じ現代神同士だからかな。」
 「……こばると君……。」
 こばるとは小さくほほ笑むとそっと立ち上がった。アヤはそんなこばるとをせつなげに見つめていた。

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テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学

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